出典:『Twenty Four Game Poems』収録、およびGizmet Game Poems「Game Poem 6」 http://gamepoems.gizmet.com/2010/02/game-poem-6-slower-than-light/
訳:django
プレイヤーは3人から5人。それぞれが遠く離れゆく、長い旅路につく。あなたたちはまだ通信可能だ。が、旅を続ければ相互間の距離は長くなり、旅をするほどメッセージのやり取りにはより多くの時間がかかるようになる。それでもなお、あなたたちはメッセージを送り続ける――その繋がりを維持するために。
まず、あなたたちがどんな旅をしているのかを相談して決める。銀のロケットに乗って深宇宙へと発進したのか、古い帆船で大海原を探検しているのか、キャラバンを引き連れ未知の国を横断するのか。その旅が何であれ、各人は個別に分離されており、他の人との接点は相互に送る簡潔な文字通信のみである。
各人は何枚かのメモ用紙、もしくはインデックスカード、そして筆記用具を用意する。あなたは紙を1枚取り、友人たちがどれほど遠くにいるのかを記録するために手元に取っておく。紙には他のプレイヤーの名前を記し、1人ひとりのスペースを線で区切る。これはあなたの通信記録になる。
次にメッセージを送る相手を1人選び、通信記録の名前のそばにハッシュ記号(♯)をつけ、新たな紙を1枚取って、およそ30秒で相手に短文1、2行ほどのメッセージを綴る。その内容は何でも――旅の最中に何をしたか、発見したか、どうしているかと質問したり、別の旅行者からの挨拶を伝えたりと、思い浮かぶままでよい。書き終えたら紙を半分に折り、外側に「【自分の名前】から、【相手の名前】へ」と記す。他の人たちに書き終わったことがわかるよう、折った紙は三角に立てて置くといいだろう。
全員が書き終えた、もしくは1分が経過したら、指定した相手にその紙を渡す。各プレイヤーは静かに自分宛てのメッセージを読む時間を取り、受け取った紙は大切に取っておく。全員が自分宛てのメッセージを読んだら、次の通信を書くことになる。
この最初のメッセージより後の通信は、先に書かれたものよりも相手に届くまで時間がかかるかもしれない。あなたは再び誰にメッセージを送るかを決定する(最大でも1、2行しか書けないということを忘れないように)。あなたがまだ一度も通信を送っていない相手宛てに書く場合は、最初のメッセージと同様にする――通信記録の名前のそばにハッシュ記号を入れ、新たな用紙を取ってメッセージを綴って折り、外側に自分と相手の名を添え、全員のメッセージが送られたら、受け取った紙を開いて読む。
すでに通信を送ったことのある相手――通信記録のハッシュ記号でわかる――を宛て先にした場合は、それが届くまでには時間がかかる。メッセージを書き、紙を折るのは同様だが、自分と相手の名前を外側に記す時に、相手の名前の横に、通信記録にあるその名前に付けられたハッシュ記号と同じ数のチェックボックス(□)も添える。それを終えたら通信記録に新たなハッシュ記号を追加し、メッセージを送る時は宛て先の人以外の誰かに渡すようにする。受け取った人はそれをそのまま取っておく。
(これは、誰かに送った最初のメッセージは直ちに届き、2つ目は1通信分が余計にかかり、3つ目は2通信分が……以下同様、となることを意味する。メッセージを送るたびに1通信分――1チェックボックス――の追加の時間がかかる)
では、あなた宛てではない、宛て先の横に空欄のチェックボックスのあるメッセージを受け取った時はどうするのか? そのようなメッセージを受け取ったら、まず、そのボックスの1つにチェックを入れる。その後、自分の選んだ相手にメッセージを書き、宛て先の名前の横に適切な数のチェックボックスを添える――通信記録にハッシュ記号をつけるのを忘れないように。そして、あなたが今送ろうとしているものも含めて、目の前にあるすべてのメッセージを見る。そのメッセージに未チェックのボックスがない場合――その相手への最初の通信であるか、すべてのボックスがチェックされているか――は、宛て先に渡し、相手はそれを読む。メッセージに未チェックのボックスがある場合は、それが長く遠い旅の果て、最終的に宛て先へと届くまで、宛て先の人以外(できればそのメッセージを書いた人も除く)の誰かに渡さなくてはならない。
メッセージを綴り、渡し、読む、の手順で12回か、それ以上の通信を繰り返す――時間にしておよそ15~20分が相応だろう。全員が最後のメッセージを送ることに同意した時、未だ宛て先に届いておらず、漂ったままの通信があることは避けられない。そこでしばしの間、新たなものを書くことなく、最後の通信が宛て先へと届くまで、受け取ったメッセージを回し続ける。届いた直後に、その最後の通信を読んではならない。そして――あなたはそれを持ち帰り、後で1人になった時に読む。