ある時、ある豪邸で、その豪邸の主人が殺された。
そして、関係者が集まり事件について話し合う事となった。
みなさんは豪邸の主人の関係者です。
これから話し合いを始めます。
まずは、みなさんがどのような人物なのか決めましょう。
役割が決まったら、話し合いを開始します。
主人が、いつ、どこで、どのように殺されたのか。
話し合いでまとめましょう。
話し合いがはじまり3分たったら、関係者たちは1度解散します。
そこで起こる第2の殺人。
ここで、誰が殺されるか投票します。
最も得票数の高い人物が被害者となり、被害者は幽霊となります。
再び3分間の話し合いを始めましょう。
真相を知っているのは幽霊だけです。(だからこそ、殺されてしまった)
しかし、人間は幽霊の存在に気付かず、前の3分間と同じように話し合います。
幽霊は、話し合いを眺めつつ、1人ボソボソとつぶやきます。
もしかしたら、その声は人間の耳にも届くかもしれません。
ただのそら耳かもしれませんが。
3分たったら、話し合いを終了します。
さて、どんな事件が起きたのでしょうか?
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2015/2/11 テストプレイヤーの一人による補足追加
ゲームポエム・アーカイブスの新作、『この中にいる!』これまででもっとも楽しみ方の見えにくい作品だと思います。「勝ち負けはない」「誰が犯人かを当てるのではない」この2つが基本的な前提となります。
『この中にいる!』はミステリの形式を借りつつ、終始わけのわからぬ状態にいることを楽しむドタバタ喜劇です。どう考えてもミステリーではない。何もかもあいまいなのですから。むしろ、この曖昧さ、わからなさこそがひげさんの真骨頂ではないかという気がします。
ただ、一方で最初から最後まで進行がないわけではないのですね。それだと本当に話が作れない。事実、テストプレイではこの茫漠としたイメージにどこまで進行システムを足すかが問題であったという気がします。話の途中で幽霊という非常に重要なキャラクターが出てきます。
幽霊は非常に重要なキャラクターです。幽霊はすべての真相を知っていますが、プレイヤーに介在することはできません。ゲーム中に突然全知の存在が現れる。「途中からゲームマスターが立つRPG」もないでしょうけど、それともちょっと違うような。
幽霊の言うことはすべて真実です。幽霊が「◯◯さんが犯人だったなー」と言えば、唐突にその人が犯人と確定します。その人自身もそれまで自分が犯人だったとは知りません。「言ったことは基本事実として採用される(YESになる)」というゲームポエムの原則を活かした設定です。
実際、プレイしてみると幽霊が出てからの後半3分で犯人確定までいかないこともありました。でも、犯人の確定が目的ではないので、時間が来たら終了です。とっちらかった伏線をとっちらかしたまま終了です。それでいいのです。わけのわからない状況を楽しむためのゲームなので。
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